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「えっ!?業績はいいのに。何で断られるんだ!?」

自分では業績が悪くないと思っていても、事業資金融資を断わられることはあります。

融資の審査は基本ブラックボックスですが、これにはちゃんとした理由があるのです。

そこで今回は、業績以外で融資が審査落ちとなる理由について解説します。

目次

業績以外で審査落ちになる理由

融資の審査項目は多岐にわたり、総合的に判断をします。また金融機関それぞれに独自の基準があり、当然というかそれらは極秘事項です。

仕事上様々な金融機関の方と連携する機会がありますが、それぞれの銀行に基準があり、もちろん部外秘になっています。

そのため詳しくお話しすることはできませんが、金融機関に共通して注意を要する2つのポイントがありますので、この点を解説していきます。

審査落ちの理由1.ネガティブ情報

 ネガティブ情報といった正式な用語はなく、これはよろしくない(ヤバい)情報といったニュアンスです。

その代表的なケースが反社会的勢力に関することですが、融資を申し込んだ会社や社長が、いわゆる反社会的勢力という話しではありません。

(事前チェックにより審査以前に断られてしまうはずですから)

稀に、本人とは関係ないところで反社会的勢力と関係がある、あるいは反社会的勢力の分類に含まれてしまう場合があるのです。

本人に関係ないところで反社会的勢力になる?

 本人は反社会的勢力とは無関係でも、例えば親が反社会的勢力(疑わしい場合も含む)だった場合などで、その関係者だとみなされると、審査落ちになってしまう場合があります。

ところで銀行が融資を断るとき、その理由や原因を詳しく説明することはありません。

総合的な判断の結果お断りする、といったセリフが多く、まちがっても「あなたは問題ないのですが、ご家族が反社会的勢力で云々」などとは絶対に言いません。

したがって審査落ちになっても、自分には思い当たらないといったことがあるのです。 

犯罪歴が障壁になる場合も

 ここで言う犯罪歴とは、殺人など凶悪犯罪のことではありません。

たとえば飲酒運転など重度の交通違反や、窃盗などで逮捕・収監された場合になります。

もちろん犯罪の軽重で審査に通る、通らないという線引きがあるわけではありません。

しかしながら、自分では罪を償って更生したと考えていても、審査には大きくマイナスになります。

一概には言えませんが、私の経験から申し上げるなら、事件や事故などで新聞記事に自分の名前が載ってしまうと、残念ながら審査落ちになる可能性が高いと思われます。

審査落ちの理由2.個人信用情報

個人事業主本人、あるいは会社の社長本人の個人信用情報に問題があると、審査落ちになる可能性が高くなります。

これは良く知られていることで、俗に「ブラックリストに載っているから融資はムリ」などと言われています。

現実にはブラックリストなどというものは存在せず、個人信用情報で異動(長期の延滞や自己破産などが異動と呼ばれ、一定期間記録が残ること)があることを意味します。

この個人信用情報も、一般に考えるより重く、しかも長期間影響が残ってしまう場合があるのです。

異動の記録が消えても、銀行は覚えている?

個人信用情報を取り扱うCICJICCなどの信用情報機関は、相互に情報を共有し、融資審査においても複数の信用情報を同時にチェックします。

上記したブラックリストについて述べた記事の中には、数年たったらブラックリストから消える(異動の記録が一定期間経過後削除されることから)といった表現があります。しかしながら、情報が記録される期間や削除される条件などは様々で、必ずしも時間が経てば何もなかったことに、はならないので注意が必要です。

さらに、銀行では顧客の記録が半永久的に残ります。

たとえばある人が個人で、過去に自己破産して異動が登録されたといった内容は、その個人信用情報で異動が抹消されてあとも、銀行の内部情報で残ります。

したがって、この人が会社を創業して融資を申し込んでも、本人の記録が残っているので審査落ちになる可能性が高いです。

納得できないときは理由を聞くべき~まとめとして

 上記したとおり、銀行は融資を断わる詳しい理由は教えてくれません。

しかしながら、心当たりもなく納得できないときには理由を聞くべきです。

私が知る限りでは、上記で説明してきた理由に該当し、しかも同情すべき理由で断らなければならないお客様がいたときには、それとなく「当行ではお断りします」(下線を強調)と、遠回しにほかの銀行ならOKかもしれませんよ、と伝えられることが多いようです。

また、どうしても納得がいかない場合は審査に落ちた理由を開示するよう、求めることも可能です。もちろんすべて明かしてもらえるか?は未知数ではありますが、たとえば犯罪歴やネガティブな情報が原因であって、実はそれが誤解や誤った記録だと証明できれば、自分へのいわば濡れ衣を晴らせるかも知れません。

あまり険悪となるのはお勧めできませんが、どうせ一度断られているのですから、その意味では、これ以上失うこともないとも考えられます。

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