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プロパー融資と保証協会保証付き融資はどちらが良いの?

金融機関の事業資金融資には「プロパー融資」と「保証協会保証付き融資」の2種類があります。

プロパー融資と保証協会保証付き融資のどちらが良いか?

実は非常に答えにくい質問であり、現役の銀行員に聞くと言葉を濁されます。プロパー融資、保証協会保証付き融資それぞれに特徴があり、メリットデメリットもあります。そうしたいくつかのポイントを考えていかないと、答えにたどり着けません。

そこで今回はプロパー融資と保証協会保証付き融資の違い、といったおさらいからはじめて、いくつかのポイントでどちらが良いか考えていきたいと思います。銀行員として30年以上事業資金融資に携わってきた人の意見も踏まえて説明していきますので、今後の参考にしてください。

プロパー融資と保証協会保証付き融資の違い

プロパー融資と保証協会保証付き融資の違いを一言で述べると「保証が付くか付かないか?」です。

プロパー融資とは、保証会社の保証を付けずに銀行が直接貸し付ける融資のことです。

そしてプロパー融資とは逆に、保証会社(ここでは信用保証協会)の保証が付いた融資が保証協会保証付き融資ということになります。なにか言葉遊びのようですが、両者の違いは意外と説明しにくいものです。上記はベテランの銀行員が融資窓口で顧客に説明している説明となります。

保証が付くとは具体的にどういうこと?

事業資金を借りる時、一般的には保証人が必要になります。債務者が返済できなくなった時、保証人はその借入を返済しなくてはいけません。ですから、誰だって保証人にはなりたくありません。

また保証人を見つけても、その人を銀行が認めてくれるとは限りません。ですから生身の人間を保証人にするのは、非常に厄介なことです。

そうはいっても、銀行は融資したお金を必ず回収しなければいけません。

そこで保証人を探すのが大変な中小企業などのために、信用保証協会が融資保証をする、言い換えると保証会社(信用保証協会)が保証人になるのが保証付き融資です。

保証協会保証付き融資(マル保融資)とは?

保証会社には民間の保証会社もあり、銀行でも民間保証会社の保証付きの融資はあります。しかしこれは少数派で、保証付き融資と言えば信用保証協会の保証付き融資(通称マル保融資)が一般的です。

「信用保証協会は、信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)に基づき、 中小企業・小規模事業者の金融円滑化のために設立された公的機関です。 事業を営んでいる方が金融機関から事業資金を調達される際、信用保証協会は信用保証を通じて、資金調達をサポートします。47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)にあり、各地域に密着した業務を行っています。」

出典:JFG 一般社団法人全国信用保証協会連合会HP

URL http://www.zenshinhoren.or.jp/guarantee-system/

保証協会保証付き融資のメリットはプロパー融資のデメリット?

保証協会保証付き融資とプロパー融資は正反対と上記しました。これから説明する保証協会保証付き融資のメリットは、同時にプロパー融資のデメリットでもあります。

その1つ目は「借入しやすい」2つ目は「返せなくなったときが違う」です。

保証協会保証付き融資のメリット1.借入しやすい

信用保証協会という公的機関が保証人なので、融資金が回収できなくなる貸倒れリスクはプロパー融資より低くなります。ですから中小企業や創業したばかりの企業、あるいは個人事業主など、業歴や資産、信用力が低い企業でも保証協会保証付き融資なら銀行は比較的柔軟に融資してくれます。

まず保証協会保証付き融資融資から取引をはじめて、事業の拡大にあわせて銀行の評価も高まっていき、プロパー融資を受けられるようになるのが良くある流れです。

保証協会保証付融資のメリット2.返せなかったときが違う

プロパー融資では、債務者が返済できなければ保証人が代わりに全額返済しなければなりません。

「保証人になったばっかりに財産すべて失った」良くある事例ですがプロパー融資のここが怖いところです。

いっぽう保証協会保証付き融資の場合は、返済できなくなると信用保証協会が全額立替えて銀行融資を返済してくれます。

これを代位弁済と言います。実際にはいくつもの手順を踏み時間もかかることなので、ひとことで言うほど簡単なものではありませんが、代位弁済してもらえば銀行の融資は無くなりますので、プロパー融資のような状態にすぐ陥ることはありません。

もちろん、代位弁済になったと言っても借金がチャラになるわけはなく、今度は信用保証協会に返済していくのですが、その返済も可能な範囲の金額にしてもらえる場合が多く、この点でも公的機関としてのやさしさがあります。

まとめ~返せなくなったときを考えると保証協会保証付き融資

保証協会保証付き融資を受ける時には保証料を払います。公的機関といってもタダで保証人にはなってくれません。プロパー融資には保証料が不要なので、費用の面ではプロパー融資が勝っています。

しかし融資の受けやすさと、何と言っても返せなくなったときのことを考えると、保証協会保証付き融資のほうが良いと思えます。

これは保証協会保証付き融資がプロパー融資より優れているという意味ではありません。

プロパー融資、保証協会保証付き融資一長一短でどちらを選ぶか?正解はないとも言えるでしょう。

しかしながら、プロパー融資で破綻した債務者の人がどうなったか?それこそ数え切れないくらい見てきた経験から申し上げますと、やはり返せなくなったときのことを考えると保証協会保証付き融資のほうが良いと思うのです。

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