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資金繰りのための手形振出を今すぐ止めるべき理由

そもそも手形とは何か?をよく理解しないまま、取引先から言われるがままに手形による取引をしている経営者の方は結構多いと思います。

仕入れ等の支払いにで手形を振り出し、資金繰りをなんとか回している方もいると思います。

手形取引は短期(1年以内)資金のやり取りとして活用される取引であり、例えば、建設業や製造業等では実際の売上が入るケースとして、数か月後という事がよくあります。そういう場合、人件費や外注費、材料費などは毎月支払いが必要なため、売り上げが入るまでの期間を手形借入(振出人;企業 受取人:金融機関)で凌ぐケースはよくあり、これは問題ない取引であると言えます。

しかし、手形取引には資金繰り上のリスクがつきものです。それは振出側でもあります。

手形取引(振出側)のリスク

最大のリスクは、売上などの入金が想定額を下回った場合に、一気に資金繰りを悪化させることです。

例を挙げますと、支払側(手形の振出側)の場合、3か月後に500万円の売上がある計画から、仕入先に支払期日3ヵ月後450万円の約束手形を発行したとします。3ヵ月後に問題なく売上が入金となれば、支払先への450万円を約束通り支払い、自分の手元には50万円残ります。しかし、その売上が400万円しかなかった場合(計画より売上が少なかったなど)、少なくとも50万円は自己資金で工面するしかなくなります。

期日に一括支払いが原則の手形取引は、その期日を1日でも遅れると、不渡りとなり、取引先企業や金融機関からの信用度がなくなります。そうなってしまうと、会社運営もままならない状態になります。振出側とはいえ、手形取引は資金繰りを一気に悪化させるリスクを孕んでいるのです。

長期資金を資金繰りに回す弊害がある

これは手形取引とは論点が違いますが、最初から短期ではなく長期資金で対応すればいいのでは、と思う方もいます。ですが、本来短期資金で対応すべき取引を長期資金(証書借入など)で対応すると、瞬間的な資金繰りは楽になりますが、長期的にキャッシュフローは悪化します。なぜならば、本来1年以内に返済や支払できるのに、5~10年の返済計画を組むと、将来業況が悪くなった時に、毎月の支払いにより資金繰りを圧迫するからです。つまり、借金の返済を将来へ繰り延べることで、目先の資金繰りがあたかも良いように見えているだけなのです。

金融機関によってはそういった取引を推進してくる可能性がありますので、この点はよく考えて下さい。

手形取引のデメリットまとめ

以下、手形取引についてのデメリットをまとめます。

振出側のデメリット

①印紙代がかかる

手形の額面により印紙代がかかります。期日などは関係ないため、例えば毎月1千万円の手形を振り出すとすると、2千円の印紙が毎月発生します。

②紛失や盗難のリスクがある

現物を紛失した場合、お金を受け取る権利を失うわけではありませんが、その手形が紛失したものである事を知らない第三者(善意の第三者)がそれを入手してしまうと、もとの所持人(受取人)は権利を失い、その第三者から支払いを求められれば、振出人はそのお金を払う事になります。

③手形が不渡りになると倒産の危険性も

手形は期日までに支払われないことを「手形が不渡りになる」と表現します。1回目の不渡りで銀行に通知がいき、半年以内に2回目の不渡りを出してしまうと銀行取引停止処分になります。こうなると事実上の倒産です。

また一旦不渡りを出してしまうと、金融機関は新規に貸付をしてくれませし、まともに相手されなくなります。

④手形のジャンプで信用を失う可能性がある

手形のジャンプとは、約束手形の支払い期日までにお金を用意できなかった場合、期日の延長をお願いし、新手形を振り出すことです。

しかし受取人が応じない場合もありますし、受取人から利息の支払いなどの条件を提示される場合もあります。また何より受取人の信用を失ってしまいます。

受取側のデメリット

①手形の取立て手数料がかかる

手形を資金化するために、金融機関へ取立てを依頼しますが、取立手数料がかかります。

②紛失や盗難のリスクがある

振出側と同じです。

③資金が回収できない可能性もある

振り出す口座に残金がなかったり、振出人の会社が倒産してしまったりした場合には手形を現金化することができません。

「手形の不渡り」になった場合でも、手形は有効ですが、振出人が支払えない場合は手形も意味のないものになってしまします。

④手形割引を断られることも

振出人の会社が金融機関からの信用が低い場合、手形割引に応じてくれない可能性があります。

⑤資金繰りが悪化する場合も

約束手形は現金が入るのが数ヶ月先になってしまいます。入金するタイミングが遅いと、キャッシュフロー(お金の流れ)の悪化が懸念されます。

相手の状況によって自分の事業にまで影響が出るのは避けたいところです。そのため手形の期限には注意を払い、支払い期日ギリギリにならないように手形を金融機関に持ち込みましょう。期日に間に合わないと金融期間で換金ができなくなります。

電子債権による取引のメリット

最近よく使われるようになった電子債権取引でも当然、支払不履行のリスクなどは手形取引と同様ですが、以下のようなメリットがあります。

①各手数料(印紙代、取立手数料)がかからない

②紛失・盗難のリスクがない

③必要な分だけを譲渡や割引をすることが可能

例えば、A社に対する500万円の債権のうち、100万円だけを支払いのためB社に譲渡したり、200万円だけを割引したりする事ができます。必要な分だけを割り引く事で割引料(金利)を節約する事が出来ます。

資金繰りと言う観点では、手形取引も電子債権も大きくは変わらない

繰り返しになりますが、手形取引を電子債権に変えたからと言って、突然資金繰りが良くなるわけではありません。あくまで取引手段の変更にすぎません。

手形(短期資金)取引は、目的にあった形で行うべきであり、それを逸脱してしまうと、支払い不履行による手形のジャンプや最終的に不渡りを出してしまい、一気に信用を失うといった事になりかねませんので、資金繰りは確実に管理しましょう。

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